エピソード16:エアラインパイロットになる夢を叶えたいなら、絶対に考えなくてはならない3つの柱 [エアラインで働くイメージ2]

これからの日本のパイロットのキャリアについて考える
トロポ
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前回に続き「エアラインで働くイメージ」シリーズその2です。

私がプロとしてエアラインに入るにあたり、悩んだ3つの柱についてです。

この記事が皆さんの決断を後押しすることを祈って。

プロのパイロットとして就職するその入口に来たときに難しかったのは「大手に行きたいのか?」と「経済的に成功したいのか?」と「国際線を運航したいのか?」だった

今より少し前、私が基礎訓練を受けていた時は、毎日訓練で忙しい中でも就職の準備を少しづつ進めていました。

訓練の中にはナビゲーション(NAV)といって、出発地から目的地まで自分で飛行計画を作ってその計画通りに飛行機を飛ばす訓練がありました。(例、宮崎から大分まで飛行)

これが今のエアラインパイロットとしての仕事に最も近い訓練でした。

当時はまだお客様を乗せてはいなかったのと、CAもいないのでその違いはあるものの、飛行機を飛ばすことに関しては大学の頃よりもずっとずっと理解できました。

当時は寮生活だったので、同期だけではなく、先輩後輩とは部屋の扉を開ければすぐに会話することができました。

自分自身が訓練を乗り越えてプロのライセンス(CPL=事業用操縦士)を取得する頃には、一緒に暮らした「先輩の就職」が寮内に報告されてきます。

共同生活をしているので、どんな性格の先輩がどの航空会社に入ったのか、後輩にとっては単純な成績や人数などの数字以上に重要な情報がそこにはありました。

就職された先輩にはその会社の内定を受ける理由も聞きます。

そうするとこの先自分自身のパイロットとしての未来を考えるにあたって3つ重要な点が浮き出てきました。

大手じゃないとだめなのか?

経済的に成功したいのか?

国際線を飛びたいのか?

です。

大手を受けない人もいる

CACは確かに大手を目指す人が多かったように思います。

でも家族がいる沖縄や、大阪に絶対住みたい。

こう考える人もいて、大手ではそれは叶わないのでそれが叶う会社1本で受験される方もいました。

例えばメーカーに総合職で入社して結婚した途端、単身赴任で家族から離れ離れ。

私達の世代はこういう生き方を忌避する傾向があるのは大学の頃から感じてはいました。QOLやコスパ、名より実をとる。そういう空気感です。

A320とB737のプレミアムライセンス

エアバス320とボーイング737は小型機に分類されるJET機です。

実はこの2つの機種のライセンスはプレミアムライセンスだとかプラチナチケットとも呼ばれています。

理由は簡単です。

「全世界でA320とB737のライセンスを持つパイロットの需要がこれから大きくなるから」

エピソード2でも説明した通り、スペシャリストのパイロットはより良い条件を求めて世界中の航空会社に転職することができます。

この時にA320かB737のライセンスを持っていてそのJETでの経験の時間が1500時間もあれば破格の待遇のエアラインにもAPPLYできるのです。

では自分の未来を日本ではなく世界のエアラインで働くところまで広げ、最も最短でA320やB737のライセンスを取得する道は?

「すぐにパイロットに昇格させてくれてB737やA320を飛ばしているエアラインに就職すること」

これって大手じゃないんです。大手では地上業務が長いし、A320やB737で副操縦士になれるかわからない。

大手以外のエアラインが志望の1番に来る人も出てくるわけです。

そしてエピソード4で説明した通り、世界の制度の歪みがあり日本は異常に早くA320やB737のパイロットになることができます。

資本主義の世界では、基本的により資本(お金)を稼ぐのは正しい行いです。お金を稼ぐことを通して他の誰かの役に立ち、幸せにしているのですから。

今、自分自身の人生をチャレンジングで経済的にも最も効率の良い道とすることを考えるなら破格の待遇の海外エアラインに挑戦するのは合理的な選択肢になるのです。

先程のQOLとは全く違う考え方です。KPIを資産性や日本人で挑戦する人が少ないといったところに置いています。

国際線を運航したいのか

国際線を運航する。ロンドン…ニューヨーク…シドニー…モスクワ…北京…上海…ハワイ….

華やかで、楽しそう、日本のグローバルビジネスエリートを商売の決戦場に送り届けるという意味でも社会的意義も大きいでしょう。

家族の一生の思い出となる旅行のお手伝いもできるかもしれません。

そういうイメージを持たれる方も多いでしょう。

もちろんそれは事実です。

ただパイロットとしては国内線だけしか飛ばないとは話が違ってきます。

長時間のフライト、時差、徹夜、日本の空とはまた違った様々なルールをしっかり勉強して、地球レベルでの大気解析をしてフライトに望まなければならない。

海外の治安は日本ほど良い国はありませんし、旅行に行くわけではないので自宅と違う慣れない環境下でも休息を取らなくてはなりません。

そして着陸回数はどうしても少なくなってしまいます。

私の夢は

「大型JET機を操縦するパイロットになりたい」

でした

操縦するには色々あると思いますが、今のJET機を運用する環境で最も操縦していると思えるのは着陸です。

はっきり、着陸はめっちゃくちゃおもしろいです。

でも国際線主体の人生はその着陸回数は国内線だけ飛ぶのに比べると確実に大きく減るでしょう。

大型機になればなるほど、より遠く、もっと遠い国に行くことができます。

距離が遠くなればなるほど、月に飛べるフライトタイムは限りがあるので、その分運航できる回数が減って、着陸できる回数が減ります。

国際線運航のジレンマです。

私達は何になりたいのか

パイロットとなってどんな人生にしたいのか。

それは人それぞれだと思います。

ただ1つ言えることは、どんな会社に行こうとも飛行機を飛ばすということは変わりないということ。

そしてこの日本の未来の大きな発展が望めずとも、パイロットとしてのキャリアは世界で通用するものであり、スペシャリストとして選ぶ仕事としては悪くないと思います。

経済的リスクヘッジが取れて、かつフライトすることが楽しめる。

そう考えられる人なら、JAL×ANAだけでなく全ての日本のエアラインはどこも選ぶ価値のある会社と言えるのではないでしょうか?

自分で悩み努力し決断した道ならば、後からその道を正解にすれば良いのです。

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