エピソード18:ANAとJALが日本で良いパイロットを育てようとする活動が本気で凄まじい。[JAL編:うそ…500万円の奨学金が返済不要!?]

これからの日本のパイロットのキャリアについて考える
トロポ
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前回に続きJALとANAのパイロット育成活動が凄まじいことについてです。

おまたせしました。今回はJAL編です。

JAL は私立大学の特定の学生を対象に、500万円の奨学金を提供。恐ろしいことに返さなくていい、500万円与えちゃってる。

2015年、JALは「日本の翼 育英奨学金」の募集を開始しました。

「日本の翼 育英奨学金」募集開始 | プレスリリース | JAL企業サイト
運賃情報や決算情報、経営やサービス全般に関わる情報などがご覧いただける、JAL(日本航空)のプレスリリースです。

内容は要するに、

年間MAX30名程度、私立のパイロットコースの学生に

1人あたり500万円あげるよ!!返済?いやいや、いらないよー!

私は初めてこれを聞いたときちょっと理解できなかったです。

学生に500万円、ぽんっと渡す会社聞いたことありますか?笑

現在、私立大学は法政とか崇城とか、訓練費高いですよね…ちょいちょいこの奨学金もらっている学生がいるんです。

そしてこの制度もその奨学金をもらったからといってJALに入社できるかは別なんですよ。

JALから500万円をもらった人間がANAだったりそれ以外の会社に入社するんです。

JALもまた

業界全体、つまり日本のエアラインパイロット全ての質を高めようとしています。

500万円もらえてしまう奨学金の募集要項を簡単に訳すと

3.応募資格
次の各号のすべてに該当する者。

(1) 日本国内の私立大学のパイロット養成課程に在籍する学生(外国人留学生を除く)。大学は寄付者と協議の上選定した指定校制とする。

(2) 上記パイロット養成課程において、PPLを取得しているがまだCPLは持っていない者。

(3) 心身ともに健康であり、かつ品行方正で学業及びフライト訓練課程における成績が優秀な者。

(4) 本奨学金の支給期間中、他の奨学金の支給を受ける予定のない者(返済免除のない貸与型奨学金、所属大学による奨学金・学費免除は除く)

(5) 将来、日本の航空ネットワークのためにパイロットとして貢献する意欲の高い者。

(6) 経済的な援助を必要としている者。

(7) 有効な航空身体検査証明書(注1)を保持している者。

(8) 大学の長の推薦を受けることができる者。

要は

プライベートパイロットライセンス(パイロットのライセンスとして1番最初に取得できる)を取ったそれまでの本人の様子を見て優秀な学生であれば500万円プレゼント

凄まじくないですか?

理論上、MAX30人選ばれるので、私立6校とすると1校あたり5人は500万円もらえるんですよ?

必死で日本全体のパイロットを育てようとしているJALとANA、なのにこの奨学金の話がエアラインに広がっていないのはなぜか

情報のメインターゲットは高校生なので、そもそも情報が高校生メインにしか伝わっていない。

またJALが500万円くれる「育英奨学金」は現状30人ももらえていない=募集要項に叶うような学生がまだまだ少ない。

そして500万円貰えた学生でさえ、ほぼJALに入社できておらず、

「JALから選ばれて500万円もらったら、JALに入社できる!」

というわけではないので学生の中での武勇伝にならず、広まらない。

自費でのライセンス取得と迷って、私立大学に転入した人でも500万円貰えてしまう。

自費でのライセンス取得を目指される皆さま、入れるなら航空大学校や私立大学をおすすめするのは前回のエピソード17やこの記事のこともあるからです。

例として、崇城大学に転入して、そこでJALから奨学金500万円をもらって、結局ANAに入社。

あります。

もちろん本人の人柄や努力あってのものです。

JALとANAの活動から見えてくる本音

日本の航空業界全体を少しでも良くしたいのはまず当然として、

私立大学で優秀なパイロット育て採用したい。

こう考えているのはもはや自明です。

ただ事実として

JALは500万円プレゼントして、プレゼントされた学生がその事実を自信にしてJALの入社試験をトライしてきても

なかなか採用されません。

昨年は大手エアラインに1人は就職できていたのに、今年は0。

今年はそういう私立大学もあります。

金銭面の負担を少しでも軽くすることで、優秀な人間に私立のパイロットコースに入学・転入してもらい一生懸命パイロットとして成長してほしい。

現状なかなか基準を満たす人が現れないが、優秀で人格も優れている人なら取りたい。

これはJALの本音といったところでしょう。

私立大学パイロットコースを選ぶ人の考え方

高校生が私立のパイロットコースを選ぶ理由として、早くパイロットになれるという観点もあるとは思いますが、

(ちなみに航空大学校でも大学を中退し20歳で航空大学校に入学すれば私立大学パイロットコースと同じ若さで会社に入社できます、ただ最終学歴は高卒になります。)

「自社養成」や「航空大学校」のように周りのレベルが高く、高倍率の中で自分は生き残れないと思った。でも万が一の大学卒業の資格が欲しいし、そしてパイロットになりたい。

こういうメンタリティの人、私の周りは多かったです。

この考えがあって私立大学パイロットコースを選んだと言っていました。

もちろん私立大学パイロットコースの人全てがそうとは言いませんが。

 

この考え方を批判をしているわけではありません。

ある意味パイロット向きともいえます。

自分がどこなら生き残ることができ、現実的に結果を出せるのか考えることができていると言えます。

ただその考えの人ばかりの集まりになるのは、また違うと思うのです。

パイロットの訓練は仲間と切磋琢磨することが最もその効果を発揮できるものです。

「自社養成や航空大学校にチャレンジできるくらいの能力や気概を持っている」

けど、大学卒業の資格を取得し、かつ若くしてパイロットになれる私立大学にあえて挑戦する。

こういう考えの人が増えると、この私立大学のパイロットコース、そして航空業界は確実に変わってくると思うのです。

まとめ

これまで紹介した通り、少しでも多くの、能力と気概をもった人間にパイロットを目指して欲しくて、

JALとANAが本気で活動しています。

私立大学のパイロットコースの費用は高いことには変わりはないですが、500万円貰える奨学金は本当に凄まじいですね。

願わくばこの記事をきっかけに費用の目処がつき、夢を叶えることのできる人が生まれますことを。

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