
パイロットの訓練の始まりはどんな訓練所でもまずは座学。1日中授業が詰めこまれることがほどんどです。
今振り返る航空大学校での座学のポイント、寮生活で座学をするメリットとデメリットを考えました。
航空大学校に入学して座学課程でまず感じたこと、「高校みたい」
座学の生活スタイルは高校生の頃に近いものでした。
授業は基本的に1コマ1時間40分、朝8:30から夕方までみっちり、それが月~金までなのでつまり週休5日です。
食事は朝、昼、晩全て食堂で同期と食べます。
(食事に関しては金夜~日夜までは寮食はでません)
普通の4年生大学で授業は週に5コマ(上手く組み合わせて週休4日を実現 笑)とかを経験してた私にしてみれば航空大学校での最初は1日1日が随分と疲れました。
ちなみに東海大学などの私立大学パイロットコースも航空大学校と同じように1年目はぎちぎちに授業のコマが入っていますし、自社養成パイロットの訓練投入して最初は1日中座学というカリキュラムが数ヶ月続きます。
何も航空大学校だけが特別というわけではありません。
授業後は何をしていたのか?
授業後は同期全員で集まってミーティングをします。話す内容は様々ですが初めはミーティングだけで1日終わってましたかね。
その後の時間は各々で過ごし方が変わりますが、基本的には自習室などでみんなで勉強してました。
一緒に勉強することでモチベーションUP、ディスカッションすることとで内容の深い理解ができました。
※つまるところ平日は忙しく、デートは基本的に金夜~日曜の日中のみというのが航大生あるある
私は基本0時までには部屋に帰って寝ることをマイルールにしていたのですが、同期の中には夕食後昼寝(夕寝?)しておいて自習室には9時頃 in そして夜中過ぎまで勉強してた人もいましたね。
(というより夜他の人と一緒に勉強したり遊んだり話ししたりするのが楽しかった、というのが正確なところ)
ほんっとずっと同期と一緒にいましたね、色々バカやったりして高校生をもう一度やったみたいな感触でした。
寮生活で座学をすることの3つのメリット
通勤時間0
東京でサラリーマンすると満員電車に乗るので通勤だけで疲れてしまいます。
その点寮生活は移動時間はほぼ0なので一般的な社会人よりも「時間リッチ」だったと思います。
ディスカッションできる
正直に言います。私の場合は航空大学校の座学でテストの点数だけ取るなら1人でもくもくとやったほうが圧倒的な点数を取れたと思います。
ただ頭に残るのはやはり同期とディスカッションした内容だったり、人に教えてあげたことです。
人に教えるには真に理解していないとできませんからね。
教えることは人のためにあらず、です。
教えること、話すことで自身の頭の深いところに情報が記憶されるのです。
寮生活ではちょっとしたことでも同期と色々ディスカッションできました。
旧帝大で航空力学やってたようなやつもいたので解説してもらったり、英語が超できる人に勉強方法教えてもらったりもしましたね。
仲の良いコースはフェイルが出にくいのはこの業界の事実なのですが、普段から色々ディスカッションして情報共有されてると、落ちこぼれが出にくいんですよね。
自社養成や私立パイロットコースも寮に近い形で訓練を行うのもこういうところが理由になります。
先輩から教わる
自分よりステージが1つ上の人から教わるのが、人生なんでも近道です。
寮生活だとすぐそこに、先輩がいるのでだいたいの悩みはトラブルシュートできます。
寮生活で座学をすることの3つのデメリット
コミュニケーションコスト大
ペーパーの点数を取るだけなら、得意な人は1人で集中して勉強した方が楽でしょう。
が、寮生活だと自分の想定していないタイミングでコミュニケーションが発生する「コスト」を払う必要があります。
共同生活をする上で話し合いで解決しなくてはならないことも最初はたくさんあります。
人によっては勉強したいのにとイライラするかもしれません。
最近は女性のパイロット候補生が増えてきましたね。恋愛沙汰はコースによって上手くみんなで対処しないといけないかもしれません。
CACでの訓練は座学の間に、効率的に強力し合う体制、生産的な話し合いができる組織づくりをしておくことがポイントです。
彼氏彼女・旦那嫁の理解が必要
コミュニケーションコストの高さ、膨大な勉強量は寮生活だからこそ吸収できるものでした。
なので例えば遠距離になってしまった彼氏や彼女が毎日1時間は電話をしたがる、そういう場合はめちゃくちゃきつくなります。
自身の勉強時間か睡眠時間を削るしかありません。
勉強を犠牲にすると航空大学校に来た意味…となりますよね。
電話は土日だけにお願いする、ラインも平日はたくさんはできないことをしっかり説明しておく必要があります。
ストレス発散方法が限定される
共同部屋、風呂もトイレも洗面台も共用。
人によってはストレス発散方法が制限されます。特に平日。
例えば部屋で音楽をがんがん鳴らしたりギターを引いたりは実質的に不可能です。
※私の場合は寮にいるメンバーでおしゃべりしたり、体育館でバスケやバドミントンをしたりするのが好きでした、座学も得意なので座学時代は全然苦ではありませんでした。
航空大学校全体を通していかにストレスを発散できるようにしておくかというのは結構大切です。
CACの強み
メリット・デメリットを上げましたが航空大学校の強み、差別化できる点は寮生活におけるコミュニケーション機会そのものでしょう。
知識やライセンスの取得は他の養成機関、私立大学や自費取得でもできるのですから。
寮生活の「人間活動」での学びがCAC卒の人間の質を高めていると信じています。
逆に寮生活を活かさない人は機会損失をしています。
使える知識をつけよう、引き出しの場所がわかる覚え方をしよう
まあこれは今振り返ってみて思うことなんですよね。
点数を取れさえすればいい勉強の仕方も時には大切なのですが。
プロのパイロットとして飛ぶわけで、すぐ忘れてしまうような知識の付け方は勿体ないのです。
先輩や同期の情報を役立てるのは大いに結構です。
ただ、「出典」「正式にはどこに書いてあるのか」をちゃんと辿れるような覚え方をオススメします。
他人のノートを当てにしてるタイプはこれがないから、あれはどこに書いてあったかな?→書いてある箇所が思いつかなくて余計な検索時間を要す。
となるわけですね。フライトするようになってわかるのはフライトはあくまでも座学時代の知識は全てしっかり身についていることを前提とした訓練スケジュールを組まれているということ。
知識の再レビュー時間の短かさは自分の訓練の「準備の質」に直結します。
ATCの授業の思い出
ATCつまり航空英語の授業があります。これは英語がベースのなるべく短いやりとりで意思疎通できるようにした言語です。
世界中のパイロットはATCを使って管制官とやりとりします。
夜に食堂で数人で集まって、管制官役とパイロット役に分かれて、机の周りをぐるぐると飛行している体で声に出しながらATCの練習をした記憶があります。
ミス・パイロットの下記の動画の3:14くらいからATCとはちょっと違いますが堀北真希×相武紗季がグランドでイメージトレーニングしてます、こういう感じで体動かしながらやってました。懐かしいなー。
まとめ
座学生活は勉強量膨大、寮生活の始まりなどで大変だがその繋がりや学びはずっと生きる。

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